尿閉塞と水腎症が発覚した日──衝撃の診断と緊急処置
泌尿器科での尿検査の結果、医師から衝撃の言葉を聞きました。
「腎臓の数値が危険です。あなたは重症です。」
通常1.1の数値が、私の場合は2.7。
さらに、ほとんど排尿できていないことが判明し、水腎病になっていました。
そして緊急の治療が始まりました。
危険な数値の意味
泌尿器科の診療は朝の8時半からでした。
私は早めの8時には病院に着いたのに、もう10人ほどの患者さんが待っていたのには驚きました。
診療時間が近づき、渡された事前情報を記す用紙に記入し、その情報に基づいて尿検査を受けるように先生からの指示がありました。
尿検査をして1時間ほどたっていよいよ私の番になりました。
先生はお年寄りの男性の方でした。
先生は私の尿検査結果の用紙を見ながら、「何でこんなに悪くなるまで放置していたのか」、と叱ってきました。
私は持参してきた「お薬手帳」を見せながら、既に前立腺肥大と診断されて、別の病院の処方薬を飲んでいることを伝えました。
またそこの病院では、私の症状は軽いほうであると言われていることを伝えました。
しかし先生は、「あなたは重症です。その処方薬では効きません」、と言われました。
そして再び、「何でこんなになるまで放置していたのか」、と嘆かれました。
先生は尿検査の用紙を見せながら、「腎臓の働きを示す数値は普通は1.1なのに、あなたは2.7で相当悪い」、と明確に言いました。
後で手渡された検査表からすると、CREAT、つまりクレアチンの数値に先生は言及していました。
調べてみると、クレアチニンは、筋肉を動かした後に出てくる老廃物の一つのようです。
老廃物ですので、体に不要なものとして尿と一緒に排出されるもののようです。
しかし腎臓が悪くなると、十分に排出されずに体に留まり、濃度が高くなるという仕組みのようです。
私の数値は2.7ですので、通常の1.1より2倍以上も悪く、腎臓の排出機能が大分落ちていたのだと思います。
私はネット検索してきた、「腎盂腎炎ですか?」、と先生に尋ねました。
先生は「違う」、ときっぱり言い、「水腎……」と言われました。
私は帰宅してから初めて、水腎病というものがあることをネットで知りました。
カテーテルでの強制排尿
先生は私を隣の診療室に連れていき、診療ベッドに仰向けに寝かせました。
そしてズボンと下着を足元まで引き下ろしました。
私は驚きながら、何をするのだろうと思っていましたが、何と、予想もできないことを始めました。
私の狭い尿道口に透明な管、つまりカテーテルを挿入していくのです。
先生は丁寧に挿入したのでしょうが、私には強引に挿入されたように感じさせるものでした。
当然ながら、本当に痛かったです。
「少し痛いけど踏ん張って、……力を抜いて、……口を開けて呼吸して…」、などと言われましたが、その痛みで足が自然と力んでいました。
挿入を終えると、先生は私のお腹を押し始めました。
私は仰向けなので自然と天井を見たり、目をつぶったりしていて何が起きているのか、よく分分かりませんでした。
ただ、シャー…シャ-という音が聞こえます。
何の音だろうと思っていましたが、先生は私のお腹をまんべんなく押し続けていました。
そしてお腹を押されるたびに、私には不思議なことが起きていました。
今日この日までずっと感じてきた痛みや張り、吐き気や苦しみが消えていき、最後には消失したのです。
まるでマジックです。
先生はお腹を押すことを止めました。
そして私に、「これを見るように」と指さして言われました。
私が仰向けのまま、先生が指し示す足元に目線を向けました。
何と、そこにはビールの大ジョッキのような、1000ccも入るようなガラスの容器が3個ありました。
そのうちの2本になみなみと、もう1本には半分ほどの私の尿が入っていたのです。
これを見せながら先生は私に、「あなたが訴えていた症状の原因はこれです」、と言われたのです。
私は本当に驚きました。
腎臓が腫れる仕組み
目の前にある、強制排尿された私の大量の尿を見て、初めて気がつきました。
私自身は普通に排尿していたつもりでしたが、実際はほとんど排尿されていなかったのです。
どおりで、よくトイレに行くようになっていました。
尿閉塞が起きていたのです。
愕然としました。
処置を終えて、先生がカテーテルを抜き取りました。
狭い尿道口に挿入されたためでしょう、尿道口からはけっこうな血が滴り落ちてていました。
帰宅してから水腎病を調べてみて、私は分かりました。
私の膀胱は、尿が満杯になっても十分に排尿されない尿閉塞状態でした。
そのために腎臓も膀胱に尿を送れなくなり、その結果、尿が腎臓に溜まりすぎて膨らみ、腫れていったのです。
この状態が水腎病だそうです。
それが、吐き気や様々な苦しみ、痛みを引き起こしていたのだと気が付きました。
惨めな姿に
診療後、血液検査もさせられ、その結果を見て先生は、当面は排尿バッグを付けるように勧めてきました。
でなけれぱ定期的に病院に来て、先ほどのような強制排尿をする必要があると言われました。
尿閉塞である以上、一番良いのは排尿バッグを付けたままにしておくことであると言うのです。
当然ながら私はその排尿バッグを見て、装着には拒否感がありました。
でも、いつまでも装着しているのではありません。
腎臓の状態が良くなれば取り外せるようになると言われ、それならば、と装着する決断をしました。
それにしても排尿バッグを装着したために、私の外見は一変しました。
突然に、惨めで痛々しい外見になってしまったのです。
私の尿道にはカテーテル、つまり管が膀胱まで挿入されています。
その管がズボンのベルトの上から外に出ています。
その管を通って排尿され、尿を溜める排尿バッグに繋がっています。
排尿バッグに溜まった尿量を見て、トイレに流します。
その排尿バッグは手で持ちます。
これからはどこへ行くにしても、何をするにしてもこの状態なのです。
打ち砕かれた甘い予想
病院に行く前の私の予想とはまるで違っていました。
私の期待していた予想では、腎盂腎炎という病名が先生から告げられます。
そしてそのための処方薬が出され、それを飲んで急速に回復していくものと軽く考えていました。
甘い私の予想は無残に打ち砕かれてしまいました。
帰宅した私の惨めな姿をみた妻も、予想を通り越した結末に驚きを通り越していました。
生活は一変しました。
何をするにしても、常に排尿バッグを持ち歩かなければなりません。
それに伴い、清潔さも問題になります。
妻が思わず目を背ける場面もしばしばあり、私も気が滅入ります。
しかも排尿バッグに溜まった尿の色は真っ赤な血の色です。
おそらく、狭い尿道にカテーテルが押し込まれていきましたので、尿道が傷ついているのでしょう。
そこから流れる血が、尿と混じっているのではないかと思います。
文字通りの血尿です。
先生からは、「どんどん排尿されてていくのでしっかり水分を補給してください。
そのうち普通の尿の色になっていきます」、と言われました。
まとめ
私は、まず泌尿器科を受診すべきだったのです。泌尿器科で、私に起きている真実を初めて知ることができました。
- 検査数値から、私には前立腺肥大の尿閉塞が起きており、重症であること
- カテーテルを挿入されて強制排尿されることにより、危険なほど溜まった尿が、吐き気や痛み、苦しみをもたらしていた原因であること
- この前立腺肥大の苦しみから解放されるためには、しばらくの間、排尿バッグに繋がっているカテーテルを装着している必要があること

